【第10回】「特別座談会『人工知能(AI)』を考える」が開催されました。

第10回 PERCHスクールは「特別座談会『人工知能(AI)』を考える」が開催されました。
講師は、梅ノ木文化計畫 木原 進さん、ベクターデザイン 梅澤 幻さん、スタジオリトルウィング 濱 龍之介さんのお三方にご登壇いただきました。

近頃話題の「人工知能(AI)」について触れ、これから私たちや社会にどのような影響を与えていくのか、またどのように利用していくのかを受講生とのディスカッションを交えた座談会形式で進行していきます。

そもそも人工知能は、人間の知能や行動をコンピュータで再現する技術を指します。
中でも話題なのが大規模言語モデル(Large Language Modelラージランゲージモデル)を使用した”テキスト”を送ると”テキスト”で返すチャット型AI「ChatGPTチャットジーピーティー」と、”テキスト”を送ると”画像”を返す画像生成AI「Midjourneyミッドジャーニー」、「Stable Diffusionステーブル・ディフュージョン」の2種。

では、何ができるのか?
まずは、さまざまなAIを実演を交えてご紹介していただきます!

参加者の約半数ほどが使用したことがあると答えた「ChatGPT」は、質問に対して文章で答えてくれる対話形式のAIチャットボットで、インターネット上にある膨大な情報を学習し、複雑な語彙・表現も理解できるのが特徴。利用者の中にはCSVファイルを読み込ませ、AIでデータ解析をしてもらってレポート作成をしている方もいらっしゃるそうです。

質問:「『ChatGPT』とは何ですか?」
質問:「結婚式の挨拶文をつくってみてください。」

このように、質問をすると回答してくれます。

講師の梅澤さん、濱さんが夜な夜な使用している「Novel AIノベルエーアイ」は、指定した文字(単語)を入力すると写真やイラスト、アニメキャラクターなど、様々なものを画像として生成してくれます。これは「プロンプト」と呼ばれるAIに実行を促す文章(命令)を入力することによって、自動で画像生成をしてくれるようです。反対に描いてほしくない「ネガティブプロント」と2種類の命令が存在します。

プロンプトを入力して画像を生成

こんなにも短いワードから簡単に早く生成されるとは!

さらに同種の画像生成AI「Stable Diffusion」を使い、実際に生成されるまでの様子をリアルタイムで公開。先ほどのNovel AIと比較すると、よりリアルな画像を生成してくれるようです。ここで筆者がハッとしたのは、生成画像の人物に対して身長や体重など、より細かな条件を簡単に追加できてしまうこと。

参加者の要望で生成された「理想の男性」
悪そうな男性集団が生成
条件を足すとその文章通りに反映

これら複数の機能を駆使して、キャラクターから脚本までを生成してボイスドラマを制作する人達もいるようで、作品のすべてを制作できてしまうのはAIの強みです。

ここでAIによるコーディング支援機能「GitHub Copilotギットハブ・コパイロット」について、実際に導入をしている株式会社ケイカ 間野 健介さんに解説をしていただきます。
GitHub」とはソフトウェア開発のプラットフォームで、ソフトウェアのコードを管理するツール「Git」の仕組みを利用し、プログラムコードやデザインデータなどを保存、公開できるようにしたウェブサービスのこと。また「GitHub Copilot」はAIによるコーディング支援機能が備わったもの。

GitHub Copilotの簡単な使用例

これはコンピュータに命令を与えるソースコードに「list of 100 numbers(100個の番号を生成する)」と入力している様子です。
すると、入力後に続くコードをAIが学習結果から予測し自動的に入力して、このコードは採用して改変したり、期待通りでなければ採用しない、といった使い手側の補助的な役割を果たす機能のようです。他にもスペル間違いや実現不可能なコードの入力に対して、修正や書き換えもでき、間野さん曰く、これらはAIの大きな特徴だと述べます。
実際に効率アップの実感も得られているのだとか!

このようにどのAIもそれぞれ用途や特徴は違い、ビジネス以外でも多方面で活用されていることがよく分かります。

終盤ではAIを使用することで生じる著作権や悪用の問題点について触れていただきました。
元々はディープラーニングから生成される画像ですが、学習・研究用途においては問題ないという法律が海外・日本ともに存在しているとのこと。しかし、学習および研究用途という点で営利目的での利用については、実際に起訴を起こす動きまで発展しているようです。というのも、この動きが始まったのは最近のことのようで、判例になるのはまだ先とのこと…判例がないことには何とも言い難いのが現状です。
しかし濱さんは、プロンプトで単語をたくさん並べている場合は創作的寄与があるとみなされる可能性が高いと言われているようで、生成された画像を複数の中から1枚を選出したり、加筆をしたりなど、試行錯誤をした過程があれば認められるのではないか、と見解を述べました。

紹介しきれなかった生成AIや、生成AIを専門としたサイト

テキスト入力だけで音楽を生成するAI「mubertミューバート
AIイラスト専用の投稿サイト「chichi-puiチチプイ
濱さんが音楽とイラストをAI生成で制作した映像作品

今回のスクールで筆者が想像しているよりも人工知能は遥かに進化していることを知りました。
紹介された中ではChatGPTに少し触れたことがある程度だったので、画像や音楽といった創作活動の全般がAIによって実現することには非常に驚きです。それほど、AIによる表現は無限の可能性があるのだと感じました。
そして、終盤で挙げられた著作権に関する問題は今後さらに深刻化するのではないかと思い、今後もAIと人間の共存は課題となっていくのであろうと感じます。

講師の木原さん、梅澤さん、濱さん、そして間野さん、ありがとうございました!

(MOEKA)

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